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8木を詳しく知る【視覚編】

木材の視覚特性

木材の色

人が感じることの出来る波長を光と呼び、「物」から放射される光の波長により、その「物」が何色に見えるかが決まります。そして、その光の色覚には、色相(色合い)、明度、彩度の3つの要素が関係します。色相(色合い)は、赤み、青み、黄み、明度は色の明・暗、彩度は色の鮮やかさ・鈍さを示します。

木材の色は樹種によって異なっていますが、青い木材は天然には存在しないので、ある範囲に限られます。色相は黄赤系統の色が多く、この色相は暖色と呼ばれる範囲にあり、「木材はあたたかいイメージがする」と言われる要因のひとつになっています。明度は物の重要感覚に影響し、黄色っぽい木材は、明度の高い材が多く、「軽快な「「すっきりした」イメージを与え、赤っぽい材は明度の低い材が多く「重厚で深みのある」イメージになります。彩度から見ると、木材は彩度の低い材が多く、「渋い」「落ち着いた」イメージになります。

紫外線を吸収

人が感ずる事のできる波長は、380から780nmの比較的狭い範囲です。380、780nmは見えるか見えないかの限界で、380nm以下の紫外線と780nm以上の赤外線は、目に見えませんが感じる事は出来ます。光の波長には紫外線が多く含まれていますが、人の目にとって紫外線は有害です。その典型的な例が雪目です。木材は紫外線の反射が少なく、目に与える刺激が小さい事が特徴です。また、木材からの赤外線反射は大きく、これが木材に「暖かさ」を感じさせる要素にもなっています。視覚には関係ありませんが、赤外線その物は熱くないのですが、赤外線が当たる事によって物質はエネルギーを持ち、輻射熱を発し熱く(暖かく)なります。

光沢と質感

光沢の特徴

木材には細胞構造に基づく微小な凹凸があり、それにより光が散乱されることで、「つるつる」も「ざらざら」もしていない中庸の光沢感がありす。この上品な光沢、すなわちミクロな反射によって、機械で測定した以上の光沢感が感じられます。光の反射は、木材の繊維方向に平行に光を当てた時と、直角に当てた時とでは、異なります。繊維に平行に光を当てた時は、光の多くが正反射(鏡面反射)をするのに対し、繊維に直角方向に光りが入った場合は細胞側壁で光が散乱し、強い反射を生じません。このような光の反射が、方向により異なることによって、杉や桧の特有の何とも言えない光沢を生み出しています。同様に、細胞の凹凸は光の正反射を少なくしている為、グレア(まぶしさ)を軽減しています。したがって、グレアの強い金属やプラスチックと比較すると、木材にはそれぞれの樹種特有のテクスチャ(質感)があり、味わいがあります。

節とイメージ

節のある木材には、節の周りの繊維が傾いて潜りこんでいるところがあります。この部分が角度により、光らなかったり光って見えたりするのは、やはり光の反射が一定でないからです。節周りのこのような光沢は、印刷した模様にはない本物感、リアル感、実在感があります。

日本では、一般的に節のない材が好まれてきましたが、最近は、節の「自然な」イメージが、欠点ではなく模様として好まれる傾向にあります。

木目は自然が作った造形美

木材の視覚特性を担うのは、材面の木目と色調です。材面の模様は、木目と総称され、顕著な模様・図柄になるものもあれば、地模様のような控えめに映えるものもあります。色調は木材そのものの色に、さらに成長の過程で沈着した物質による色が加わり、樹種によって独特の色彩になります。

針葉樹では、材面に現れる年輪の輪郭の明確さと年輪の色合いが、木目の印象を左右します。特に天然林の老齢樹では年輪幅が狭く均一で、すっきりした、整った木目を見る事ができます。

広葉樹では、材面に現れる導管が視覚に強く作用し、特に、大きな導管の走行・分布・配列に、その樹種独特の色彩が加わって、それぞれの視覚特性を形成します。

木目は組織の特徴、樹木の生育状況、見る木の部位などにより様々に変化しますが、特に装飾価値がある時、その木目を「もく(杢)」といい、種々の名称のようなものがあります。

木目の揺らぎ

樹木はその年々の気候により、成長量が大きい時と小さい時があり、その為年輪幅は一定ではありません。この自然が造りだす年輪幅の「規則的だが揺らぎのある」パターンが、人の目に自然な、深みのある、感じの良いイメージを与えます。

室内空間における木材率

最近のアメニティ(快適)感覚が住宅についても重視され、加えて木なり感覚、本物志向となり、木目感覚は再認識されています。最近の住宅では、全体的な空間のコーディネートの中で木目が使われています。木目のいろと壁面の色をコーディネートしたり、あるいはカーペットと木目を組み合わせたり、という様な演出がされています。室内の内装に木材をどの程度持ちいると、心理的にどのような効果や影響がでるのか、興味のある所です。そこで壁・床・天井・家具など室内に占める木目・木材色の割合(木材率)と好感度の関係を調査しました。

木材率と「暖かい」との関係は、木材率の増加と共に、「暖かい」イメージの上昇が認められ、「冷たい」イメージがなくなりました。木材率と「重厚な」関係は、木材率の増加と共に「重厚な」イメージの下限値が上昇し、木材の存在が「重厚さ」に大きく寄与している事が認められます。これには木材のテクスチャ(質感)が関与し、また、明度の低い木材ほどより重厚なイメージを与えます。「自然な」イメージと木材率の関係は、木材率が高いほど「自然な」イメージが高くなり、やはり木材は「自然な」イメージを与える材料であることがはっきりと読み取れます。この調査の結果を総合的に判断しますと、木材に対する好感度の度合いは高いのですが、他の素材とコーディネートする事によって、その好感度がさらに高まる事がわかります。

家具表面材の志向傾向

家具の表面材の出現率は、昭和50年までは、チーク材(主に東南アジア)が最も多く使用されていましたが、これ以降オーク(ナラ材)がそれにとって替っています。チーク材が入手困難になって来たこと、多様化する家具の色調に、独特の色見味を持つチークでは対応できなくなって来ているからです。これに対してオークは、まだ入手が容易であり、また質感が豊富で、塗装によってかなりのバラエティのある色調の表現が可能であることなどの理由が上げられます。その他、欅は多少の変動がありますが、比較的安定した出現率をしています。これらの材はイメージが確立していて、使用されている家具の種類も固定化されている為でしょう。材の出現率の変動は家具の流行色にも影響を受け、例えばワインカラーが多い時代にはカリン、マホガニー、サワラ(カバ)類の比較的ワインの塗装色になりやすい材が多くなる傾向にあります。最近は本物志向となり、家具の表面も無垢板が使用されることが多くなっています。

木がつくる住環境 抜粋・参照

以上、8木を詳しく知る【視覚編】でした。

これで終了です。
木について詳しく知ることができましたか?
木の良さを理解しつつ、生活の中で取り入れていきましょう。

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公開日:
最終更新日:2018/02/12