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7木を詳しく知る【音編】

住まいと音

私達の生活には様々な音が存在し、否応なしにその音を聞いています。その種類、大きさ、性質などは、生活が多様化すると共に複雑になる傾向があります。特に近年、生活騒音に対しての苦情が急増し、悩まされる騒音の4割を占めるまでになっています。このようなことから、快適な住環境には、いままで以上に「音」対策が重要になって来たようです。そこでまず音がどのようにして私達に伝わるのか、しっておくことが必要でしょう。音は空気などの圧力変化によって伝わります。例えば、車と車が衝突した時に、車の表面が衝突で振動します。この振動は空気をある瞬間、圧縮して密にし、またある瞬間は膨張して疎ににします。密な部分と疎な部分が交互に空気中を移動し、これが耳の鼓膜に達して、人は音を感じます。住宅の音は、振動が伝わる経緯によって、空気伝搬音と固体伝搬音に区別されます。

固体伝搬音は、人や物が床をや壁に衝突した時に発生します。床や壁材を通して構造体に振動が伝わることから、固体伝搬音は建築材と住宅構造の両方からの防音対策が必要です。

空気伝搬音は、ステンレス等の音源から発生する振動で、空気中を直線に進みますが、壁や床に当たると反射する音、材に吸収される音、反対側に透過する音に分散します。それで空気伝搬音は、室内の音は吸収力のある内装材によって、また外部や室間の環境音は、音の透過を防ぐ遮音性のある材によって解消する事ができます。

木材は、空気伝搬音を適度に吸収しますが、遮音性は高くありません。また、固体伝搬音が発生する様な打撃を受けると、木材は振動しやすいので、音を発生しやすい性質を持っています。

吸音率と遮音性能

適度な吸音力を持つ木材

室内の音源から発生する空気伝搬音は、内装材の吸音力で低減します。木材や畳は室内の音を適度に吸収しますが、吸音力がほとんどないコンクリートに囲まれていると、音がいつまでも残る事になります。この様に、室内の吸音力が小さいと、反射音が大きく、音が良く響き耳障りに感じられます。反対に吸音力が大きすぎても、音がききずらく不快感を覚えます。各種材料の吸音率を比較すると、木質材料は低音、中音、高音をバランス良く吸音する事が解ります。

遮音性を高める

外部や隣室からの空気伝搬音は、主に壁で遮音します。遮音性能は壁材の面密度、つまり単位面積当たりの重さに比例します。木材は軽くて強い事が特徴なので、遮音性はは高くありません。しかし、木材も使い方によっては、遮音性を高くす事ができます。壁材にはできるだけ厚く、比重の大きい材を使い、工法としては空気層を持つ多重構造の工法を採用し、窓や扉のすき間を減らすことによって遮音性を高める事が可能です。

聴こえないが感じる聴高周波音

人間の健全な耳に聴こえる音の範囲は限られています。この範囲より低い超低周波音と高い超高周波音は、音として感じられませんが、肌や体で感じられます。緑が多く自然性の高い地域では、超高周波音が豊富に存在していますが、高密度都市空間や密閉度の高い建物内では超高周波音が掛けています。ところが木造住宅は快適に感じる超高周波音を通しやすいと言われます。このような事から、住宅の遮音性が高ければ高い程居住性が良い、という考え方は、近い将来再検討され必要があるようです。

木質フローリングと床衝撃音

固体伝搬音は、床や壁を打撃する事によって、床や壁等と構造体の振動を伴い発生する音です。最近、住宅やオフィスで木質フローリングが好まれていますが、同時に床衝撃音への苦情も多くなっています。この床衝撃音は、固体伝搬音が原因で発生します。子供が走り回り、とび跳ねる時、ドシンドシンといった重衝撃音が発生し、また椅子やテーブル等の家具を移動する時のコンコン、カンカンといった軽衝撃音が生じます。木質フローリングの使用によって特に問題になっているのが、この軽衝撃音です。木質フローリングが音のトラブルで消えて仕舞う事のない様、床衝撃音に対処するよう望まれています。

軽衝撃音対策

コンコン、カンカンといった軽衝撃音は、軽くて硬い物が床に衝撃を与えてえる時に発生します。そこで、床の表面を柔らかくし、打撃による衝撃を柔らかく受けとめる事で、音の発生を防ぐ事ができます。最も簡単な防音方法が、厚いカーペットと畳です。

木質フローリングの場合は、表面で発生する軽衝撃音を下地材が吸収する事によって低減できます。木質フローリングの下地に防振ゴムやインシュレーションボードなどの緩衝材を設置し、その上を木質フローリングで仕上げる。浮床工法は、軽衝撃音を確実に低減します。また、最も簡単な改善方法は、直張りタイプの防音床を用いる事です。これは、木質フローリングの裏面にゴム、発砲プラスチック、グラスウール、制震シートなどの緩衝材を複合した製品で、実験により高性能を発揮する事が確かめられています。

木造住宅の床衝撃音対策

住宅の質的向上を考える時、重衝撃音、軽衝撃音の両方を低減する事は必要不可欠です。軽衝撃音は比較的簡単に防音対策が図れますが、重衝撃音は軽衝撃音と異なり、畳やカーペットを用いても改善されません。2階床-1階天井-1階壁を一体とした構造と、建築材の両面から防音対策を図る事でしか低減することができません。木造住宅の2階床を1階の天井として利用した場合、床衝撃音は下階へ大きく響き、遮音等級もL- 95(軽衝撃音):L- 90(重衝撃音)です。L等級とは、遮音の程度を表す呼び方で、数値が高いほど遮音性が低いことを意味しています。

音をまろやかにする木

コンサートホールは、何よりも良い響きが要求されます。響きで最初に注目されるのが、残響時間です。残響時間が短いと音が直ぐにとぎれ、長すぎると次々に演奏される音の響きが重なり合い、音が不明瞭になってしまいます。

残響時間は内装材料の吸音率で計算されます。木材は適度の吸音率があり、木造の音楽ホールは音に良く反応し、音をまろやかにすると演奏者にも来場者にも好評です。

楽器と木

木材は振動しやすく、振動を適度に吸収し、共振が鋭くないという音響的性質を持っています。この性質を生かして、様々な楽器に木材が使われています。楽器に木材を用いると、音の立ち上がりが良く、音が良く伸び、温かみのある音色になり、木ならではの音色になります。

木がつくる住環境 抜粋・参照

以上、7木を詳しく知る【音編】でした。

次は8木を詳しく知る【視覚編】です。

公開日:
最終更新日:2018/02/12