暮らしに変化を

スリーハーツホーム

お気軽にお問い合わせください

0270-61-7421

受付時間 月~土 10時~17時 定休日 木曜

5木を詳しく知る【情緒編】

人と緑と情緒

古代から人々は、森の中で樹々の緑と動物たちと共生して来ました。

落葉広葉樹林の東日本では木の実が多く、これを常食としたのに対して、常緑広葉樹林の西日本では、早くから稲作の様な物が始まっていたようです。

いずれにしても緑は祖先の色と言えます。そして、現在、さらには未来の色とも言えるのです。

緑が人体に与える影響

樹木の緑に囲まれていると、私達は自然に心が安らいできます。実際の実験でも、緑が人体に快さを与えていることが証明されています。

体育館でエアロバイクを使って健康運動した直後に脳波を調べるという実験です。目を開けている時は、緊張、不安の時に現れるβ波が見られます。

一方、目を閉じた状態だと心の平静状態で現れるα波が生じます。ところが緑地で同じ実験をすると、目を開けていてもα波が出ています。

この様に緑は、心を広げ、安らぎを与えるのが解ります。人間の精神状態は、安静状態が続くとポテンシャルが低下し、外に向けて刺激を求めます。

刺激によって興奮し、次第に不安状態になると、再び平安を求める様になるのです。

私達の毎日の生活は、安静→興奮、不安・ストレス→の繰り返しですが、現在は興奮と不安が多くなりストレス社会と言えます。

こんな時、緑の環境や人間に優しい木質環境が必要になってきます。

木と木造住宅の情緒的特性

情緒は、その人の生まれ育つた環境の緒々の因子、気候、風景、住居、生活様式、人間関係などが総合されて形成されます。

ここでは、特にそのうち木材が関与している情緒的因子について考察します。

この物性の何が、人間の情緒、あるいはイメージと、どの様に関係しているのか、人の五感(視,触、聴、嗅、味覚)に従って解析します。

触感覚と木材

手や足は、木材に触れた時、熱や水分に対する代謝バランスが良く、暖かく、やわらかく、さらりとした感じが有りますので、刺激の少ない、人に優しい、情緒的に良い材料して評価されています。

視覚と木材

見た目にも情緒的にも良いと言われるものは、目に対する刺激が小さく、自然な視覚特性を持った材料です。

木材の色彩、光の反射率は目に強い刺激を与えず、木目の自然な造形、光沢は「暖かい」「心が和む」「落ち着いた」情緒が有ります。

聴感覚と木材

聴感覚に関してまずまず思い当たるのは、楽器に用いられている木材の事です。

良く響くだけでは、他の材料でも良いはずですが、なぜか木材でなければならない所に、木材の情緒的特徴が有るようです。

そのひとつの理由として、木材の響きは一般に「やわらかい」という事です。それは木材が細長い中空の細胞でできている事が関係しています。

嗅覚と木材

木材のにおいには精神的な鎮静作用が有りますが、薬では得られない心理的な効果も感じられます。

これは木材のにおいに、緑の森やおさないころの記憶など、情緒的なものを想起させる不思議な作用が有るからです。

味覚と木材

木材その物を食べる事は有りませんが、白木や漆塗りの箸、それにお椀が好んで使われています。

プラスチックのお椀や箸よりも、食事が美味しく感じられる事が、味覚の情緒と言えるのではないでしょうか。

以上の様に木材は、五感に対して総合的に「落ち着き」「安らぎ」「温かさ」を与え、刺激も少なく程々である為、情緒的な素材と言える様です。

木造住宅と情緒

木造住宅の情緒は、時と共に住んでいる人と家が一体になる所に有ります。毎日の生活が木に刻まれ、独自の光沢と表情を持つ様になります。

時間の経過と共に、表情が魅力的に変容するところが、木造住宅ならではの情緒と言えます。

また生活習慣のいくつかは、和室の情緒をその背景に要求します。花を生ける床の間、宴会やなべ料理を囲む座敷や茶の間など、部屋の表情が生活習慣の演出も行っています。建築素材や道具としての機能だけを考えた場合であれば、鉄やコンクリート、木を模した工業製品で十分なはずです。

しかし、なぜ木造住宅、本物の木にこだわるのでしょう。そこに木の持つ情緒特性の真髄が有るのです。

文化を担う木

私達は豊かな森林資源を背景として、世界でも類を見ない木の文化を持っています。歴史上最古の木造建築物、法隆寺、広隆寺をはじめ、1200年以上経た建築物が20数棟も現存しています。これらの木造建築物は、歴史の舞台であり、永い年月に渡り人々が公に生活を営んだ空間でもあり、建造された時代の思想・文化を後世に伝えているものでも有るのです

子供の生活環境

幼児期の子供の生活環境材料に関するイメージ調査では、親は子供に家具、机、おもちゃとして、木質系のものを与えたいと考えている事が解りました。

また保育園のホール、学校教室の床材料等も、大多数の親が木質系のものを希望しています。使いたい材料としては、木材、布、紙があげられ、そのなかで木は最高点を得ています。木に対するイメージは、「なごやか」「安心感・親近感が有る」「快適な」等あげられています。

このような心理的行動は、木質環境の質感、たとえば臭い、手触り、視覚的な要因となっています。人が環境に対して行動を決定する時の総合的な評価は、こうした感覚特性が誘因となり、内に抱いている嗜好性が動因となって決定されます。

創造性が重視される子供の環境として、ゆっくりくつろぐ事ができ、空間が多様性に富んでいる事が望まれます。

粗密があって程々に質感のある木質材料は、その様な環境を作る為になくてはならないものです。

木の家特に木の内装は人の身体と心にどれだけプラスに働くのか

ずいぶん前に愛知教育大の橘田教授が、校舎の建築材料の違いによる児童のこころとからだへの影響を調べた研究が有る。

からだ

冬、木材床とコンクリート床の空間をつくり、室温10℃の環境で40分間過ごした被験者の各部位の皮膚温を比較した。

その結果胴体部分に大きな違いは見られなかったが、手、足などの末端部分ではコンクリート床の方が冷える傾向がみられた。その理由としては、床の接触面から奪われる皮膚温と、床から受ける「温感」の違いをあげている。コンクリートに比べて木材の方が熱伝導率が低く、素足で触れても接触面の熱を奪いにくい事が解った。実験の結果、コンクリート床では手の冷えも強く見られた。床材料から受ける皮膚温変化の影響は足元だけにとどまらないと言う事で、床材を熱伝導率が低く温感の高い物にすることで、体温の低下を防ぐことができそうだ。

また児童の欠席理由の比較で木造とコンクリートでは、コンクリートの方が病気、インフルエンザで休校する子供が、木造の倍以上いました。

こころ

身体から多量の熱が奪われると血流が悪くなり、身体に悪影響を及ぼす可能性がある。さらに不快感を感じ、疲労感や意欲の減退を引き起こすといわれている。10℃の低温環境下で40分過ごした後の被験者の自覚症状調査でも木材床に比べてコンクリート床の方が「眠気とだるさ」「注意集中の困難」を訴える被験者が多かった。さらに職業適性検査(差し替え作業)を行ったところ、木材床に比べてコンクリート床出の失敗率が高かった。

「学校は勉強する場所、たとえ注意集中が困難な空間だとしても、子供は集中する事を求められる。それは相当なストレスになる」と教授は指摘する。

特に女子生徒に情緒不安の症状が多く見られる様です。

不登校児童数が若干多いが、これもこうした結果と無関係ではないのかもしれない。

この様に如何に木が子供達の集中力を高めたり、健康に良いかがお解りになったと思います。

木がつくる住環境 抜粋・参照

以上、5木を詳しく知る【情緒編】でした。

次は6木を詳しく知る【衝撃編】です。

公開日:
最終更新日:2018/02/12