長尺葺きの屋根材を銅板からステンレスに葺き直し
概要
築10年のK様から、銅板で葺いた屋根材にヒビができたので、見て直して欲しいと依頼を受けました。
見ると銅板を長尺で葺いた屋根でした。なんでと思いました。
一般的には銅板は伸び縮みが大きい為に、一文字葺きといって小さくしたものを、少し遊びを持たせながら葺きます。
神社、お寺の屋根や数寄屋住宅で、小さくした銅板を葺いてあるのを見かけると思います。
しかしこのお宅では長尺で葺いた為、銅板が夏に伸びて盛り上がり冬に縮むことを繰り返したことが原因で、亀裂が入ったと思われます。
確かに銅板は長持ちする材料ですが,葺き方に問題があったようです。
プロの職人なら知っていると思いますが、請負業者に逆らえず言う通りにしたんですかね。
では長尺で葺いて長持ちするのは何かとお客様から聞かれました。
割高には成りますがステンレスが良いのではとお客様にお話したところ、それで良いと言う事になりステンレスに決まりました。
あちこちに亀裂が入った、長尺葺きの銅板の屋根です。
下地材はアスファルトルーフィング紙からタイベック社のルーフライナーに交換
剥がしている所ですが、下地のアスファルトルーフィング紙が、張りついたり破けていたりしました。
アスファルトルーフィング紙は、寿命が10年と言われていますので、瓦などの屋根材をどんなに良くしても、下地を良くしないと何にもなりません。
黒いのがルーフィング紙です。
今度は透湿性、遮熱性があり、クギ穴をふさぐように出来ていて一般のルーフィングより耐久性のある、タイベック社のルーフライナーを使用しました。
棟換気はロールベントを使用
また棟換気部材のロールベントを付けて、棟換気もしました。ロールベントを板で打ちつけ、ステンレスの棟部材を付けます。
この小さな隙間全体から屋根の熱が抜けて行きます。
ステンレス屋根材を横葺き。仕上げは焼け付き塗装
ステンレスの屋根が葺き上がりました。ステンレスはシルバー色ですが、色が付いたものがご希望でしたので、焼き付け塗装した製品を使用しました。
ただもし塗装が劣化しても、ステンレスなので一生ものです。
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