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白熱灯による床下調湿炭火災事故と火災実験

      2016/11/08

平成8年頃から床下には、床下調湿炭を敷いていました。

袋の床下調湿炭敷く

しかし使っていた時に、事故が起きました。

それは調湿炭を敷いた後、電気工事業者が白熱灯を持って、工事状況の確認をしようと床下に入りました。

白熱灯を何処かに吊るして行えばよかったのですが、白熱灯を炭の上に置いて工事をしたらしいのです。炭なので工事が終った時には赤い炎も見えず、着火した形跡には気が付かなかった様です。

実験を見ていただければわかりますが、炭は炎を上げないので見えにくいことが解ります。

炭はひと晩かけて、中心にジワジワと燃え広がっていったようです。(実験でも23分位で着火)

その次の朝になって、基礎周りから煙が出ていることに気ずき、慌てて床下に入ったところ赤い物が見えたので、一部分だけだと思ってバケツで水を掛けました。(煙は炭ではなく木などが熱で焦げたもの)

ところが違っていたんです。炭は炎は出さず高熱になって、ブスブスと床下一面に燃え広がっていたんです。

水を掛けたとたん、床下一面高温の熱風が広がって息が詰まり、火傷して死ぬかと思いました。

すぐ消防署に連絡して床板をはがし注水し、消火してもらう事になる大騒ぎとなりました。

床板の一部を切り取り注水しました

床下一面水浸しになり、乾くのに1週間ぐらいかかりました。水浸しと同時に排水管なども被害を受けた床下です。

火災にあった床下

火災にあった床下

濡れてしまった調湿炭が残っています

ただお客様の寛大なご理解を頂いたおかげで、床下を掃除した後、床の断熱・シート・床板の張り直しで事なきを得ました。

その節にはお客様には、大変ご迷惑をおかけいたしました。また寛大なご理解を頂き本当にありがとうございました。

この後からの工事は、調湿炭の袋を敷くのはやめ、液状活性炭を塗布することにしています。これは土台、柱などの構造全体にも塗布でき、防蟻調湿効果も高まります。

また照明器具も蛍光灯かLED照明に変えています。床束も今はゴム付き防振スチール製を使っています。

土台大引き柱などにも、液状活性炭を塗布しています。防振ゴム付きのスチール束を使用。

【液状活性炭の効果をバナナで実験したのをこの後に載せます。】

基礎土台などに液状活性炭を塗布

浴室は柱の上部や梁までも塗布しています。

柱梁などの構造材にも塗布

この方が1年後などに、床下の点検する時も楽です。袋に入った調湿炭は、1年後に床下に点検に入る時、マスクをするなどの装備をしないと粉塵が舞って大変です。

今回の事故は消防署も初めての経験で、実験をしたいので炭を分けて欲しいと依頼を受け提供しましたが、秘密情報とかで実験結果は教えてもらえませんでした。

それなので私達も、実験をして見ることにしました。

実際に照明器具を置いただけの実験をして、こんなにも早く着火することにびっくりでした。(電球の温度は150度~200度でスポットは250度でした)

また少しづつ進行し、燃え終えるのに約14時間も掛かる事にもびっくりでした。

その実験結果の写真の一部ですが掲載しましたので、ご覧になってご参考にして頂ければと思います。

10日9時59分実験開始
火災実験開始

10日10時22分袋が焦げ炭に着火し始める

袋が焦げ始める

10日10時52分完全に炭に着火し始めました。

炭に着火し始める

10日11時24分カバー付きのスポットライト下も焦げ始めました。

カバー付きのスポットライト下も焦げ始める

10日11時48分電球の近くだけと思っていましたが、炭は表面より中心の方に、ジワジワと燃え広がって行く事が良く解りました。

中のほうまで燃え広がっていたんです。

10日11時48分昼間だったので着火状態は良く見えませんでしたが、かなり中のほうまで燃え広がっていたんです。

一度着火すると照明がなくても、少しずつ燃え続け広がってゆきました。

かなり中まで燃え広がっていました

11日12時54分、約14時間かかり、ほとんど消し炭状態になったところです。

ほとんど消し炭状態になりました

私も最初使用するときに、メーカーに火災の事は確認したところ、メーカーから「炭は炭化しているので、すぐには燃えないから大丈夫です」と聞いていたので安心しきっていました。

残念なことをしました。大失敗です。

事故後メーカーは、火気厳禁のシールを張るようになりました。

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